Recently updated on 10月 19th, 2024 at 04:19 pm
・シャンバラ軸のエドワード×アルフォンスのエロ小説本です。
・解釈まだあやふや。エロが主題。
・攻めのフェラあり。
・全文ではエド×アルの挿入・本番あります。
・頭を空っぽにしてお読み下さい。
*
摩擦音とくぐもった吐息が部屋に漏れる。控えめに、時おりぴくぴくと肩を震わせて感じ入り、アルフォンスは自身のペニスを扱いていた。
こんなことを覚えたのは精通して以降だ。精通は、兄エドワードが失踪してから改めて修行のために、イズミ・カーティスの家で暮らしていたある日の朝であった。
起床すると、下着がべっとりと濡れていた。肌に張り付き、分泌されてから時間が経ってひんやりと体温を奪う生々しい体液の感触と、独特の臭気が、知識の中にはあった精通や夢精、といったものと結びつくには少し、気持ちの整理が必要だった。混乱し、快いとは言えない感覚に冷や汗を垂らしながら自分なりの処置をしようとしたが、勘の良いイズミに隠し通せるはずもない。
イズミは特に詮索することなく、こういった時の洗濯にはタンパク質の凝固を防ぐため、熱湯ではなく常温の水を使うのだと教えた。
頭が真っ白のまま慌てて湯を掛け、ごわごわの再起不能にした下着をくず入れに包み、アルフォンスは情けなさと罪悪感でいっぱいになっていた。体液が熱凝固することなど、普段のアルフォンスであればすぐに考えが回ることであったし、こんなプライベートなことに師を巻き込むことが申し訳なくて仕方なかった。
気づけば、何に向けるでもない謝罪が口をついていた。
「ごめんなさい……」
「謝る必要がどこにある。気にしなくていい。生理現象だからな。それより、謝るのは私の方だ。もう、身体はそんな歳だったな……。お前にも、もっと早く教えておくんだった」
少し遅い朝食を終えるとイズミは、一冊の本をアルフォンスに渡した。
「大人の体を知るために必要なものだ。今日はゆっくりこれを読みなさい」
その日の修行は早めに切り上げられ、午後は読書に費やした。そこには、成長による体の変化と男女の違い、そして赤ん坊ができて産まれてくるまでの過程が極めて淡白な筆致で、しかし詳細に事実のみが記されていた。いずれも人体錬成を試みた時に何となくは知っていた知識ではあったが、いわゆる「性教育」として系統立てて受け取ることは初めてのもので、特段の照れもふざける気持ちもなく真剣に読み進めた。
その中でも「マスターベーション」「オナニー」という語は初めて知る知識であった。
生理現象として朝起きた時に陰茎が勃ち上がっていることもあれば、そこに触れば敏感であまり触りたくないと思ったこともあったが、敢えてそこを自分で扱いて見ようとは発想になかったことであった。
自分で出しておけば、今日のような粗相も減るらしいと知り、アルフォンスはその日からオナニーを初めた。
それは、アルフォンスがミュンヘンに転がり込んで、エドワードと再会して二度目の旅立ちをして、一時的に身を落ち着けた小屋に来てからもう幾度目かのオナニーであった。何となく他の人に見せるものでもないと思って、エドワードの居ない時間を見計らって抜くことにしている。
しゅ、しゅと乾いた音を立てて、機械的に亀頭の根本を掴んで素早く、一定のリズムを保って扱き続ける。やがてむずがゆさが下半身にゆるくとぐろを巻いて、内ももの筋肉が引きつる。
「ふっ、ふう、ふ、ふ……」
乱れる吐息を噛み殺して、そろそろ近いな、と思って扱くスピードを上げる。今やよく知ることとなった、甘い、甘い痺れがやって来て、少し我慢してから、腹の底に力を込めて快感を解放した。
「はあ……は……」
このところは、なかなかエドワードと離れる時間が取れずに、溜まっていたものだから。精液は勢いよく飛び出して、ちり紙の中にとぷとぷと染み込んでいく。
ぼんやりとホワイトアウトした脳裏に浮かぶのは、いつだって金のきらめき。
金髪金眼の、実の兄がアルフォンスと目が合った時に見せる、ほころぶような、気遣うような。それでいていたずらを思いついた幼子のように、純粋でまばゆさを含んだふ、と笑ったときのような。
そんなまぼろしを浮かべて果てるのが、いつものお決まりとなっている。
出るものも出し切ると、気だるさに脱力してマットレスに横になった。
アルフォンスは、実の兄のことを恋愛対象だとか、ましてや女の子のように想っているつもりはまるでなかった。性愛の対象として見ている自覚もなければ、性愛と好きであるという感情の境目についても考えたことがなかった。
ただ、どうしてだか、果てる時に兄のまぼろしが思い浮かぶときにはいつも、陽の光に照らされるような暖かな気持ちがしていた。
気だるい腰でベッドに座り、ちり紙を遠投する。精液をたっぷり吸い込んで重みのある紙は狙いを外してぺち、と音を立ててゴミ箱のそばに落ちた。
それを拾うことすらわずらわしく思えて、下着も履かないままでベッドの上で大の字になる。窓から吹き込む暖かく湿った春の風に甘やかされて、それ以上動くことすら面倒になり瞳を閉じると、意識はすとんと落ちていった。
すぐそばで動く気配を察知して、アルフォンスは飛び起きた。冷えた心臓は早鐘を打ち、手汗がぶわり、と吹き出して、部屋への侵入者と目が合う。
「えっ! 兄さん、列車に乗って出かけてたはずじゃ……これは、あの、えっと……」
「あ、起きたのか。待ち合わせしてた教授が大学の講義忘れてオレと約束してたもんだからさ。突然にすっぽかしやがって……朝でやることなくなったからとんぼ返りで帰ってきたぞ」
侵入者、もといこの家の一時の主であるエドワードはのんきに答えながら、冷えた水分を含むちり紙を床からつまみ上げてゴミ箱へと捨てるところであった。
それを見てアルフォンスの頬にサッと赤みが差す。
「ちょっと、それは……!」
「窓開けながら寝てたら危ないぞ。暖かくなってきたからって、そんな格好だと風邪ひくぞ?」
エドワードは小言を言いながら窓を閉める。アルフォンスは辛うじてタオルケットで下半身を隠しながら、身を固くするしかない。そんな弟の動揺をまるで無視して、エドワードは続ける。
「晴れてるし洗濯するぞ。シーツと枕カバーも洗うから早くどけよ」
「ちょっと、出て行ってよ」
「何でだよ。ここはオレの借りてる家だぞ」
「それは、確かに……」
まっとうに言い返されて口ごもるアルフォンスを見て、エドワードは軽く頭を掻いた。
困ったなというように、んー、と唸ってから。ニカッと笑って言う。
「生理現象だからな、気にすんな!」
いつの日か、師から言われたのと同じような台詞を投げかけられて。どうしてだか今回ばかりはカッと頭に血が登った。
「兄さんはデリカシーが無いッ!」
「だから、そんなこと誰にでもあることだって」
「兄さんの馬鹿! いいから早く部屋から出ていけよ!」
弟のわがままな拒絶を受けて、エドワードはすっと無表情になり、ふいと視線を逸らす。
「そーですか。邪魔したな」
ひら、と手を振ってエドワードは相手にもしないといった様子だ。「あとで洗濯物、外の流し場に持ってこいよ」とだけ言い残すと、自分の洗い物だけ手に持って静かに部屋から出ていった。
アルフォンスは喉元までタオルケットをたくし上げて真っ赤になってうつむくと、大きく息を吸い込み、そして吐いた。
兄さんは変わった、とアルフォンスは感じていた。アメストリスで共に錬金術の旅をしていた頃のエドワードであったならば、アルフォンスが激しい感情を見せるとそれに呼応して、打って響くように激情をあらわにしていたと思う。今ではそういった素直さはずいぶんと影を潜めて、すっかりスレてしまったようである。
離れて過ごしていた三年間、旅の記憶を失ったアルフォンスは修行という名目で暮らしていたとは言え、年端も行かぬ少年として大人たちに守られた環境で過ごしてきた。同年代の友達も作らずに兄を探し続けて、性についてはひどく疎い。
オナニー一つ、知らないほどに。
一方のエドワードはどうだ。ルーツも持たない世界の、きな臭い灰色の都市でどれほど薄汚い社会の波に揉まれたことだろう。
再会した兄は寝酒を嗜み、タバコの煙をまとうようになっていた。たったそれだけのことでもアルフォンスは十分に動揺した。
ある日、飲みすぎたエドワードが着替えもせずに床で寝ているのを発見した時には、お酒なんてやめるべきだと訴えたことがある。ただ一言、「そうだな」とだけ返されて、結局やめるともやめないとも答えはもらえずにはぐらかされたまま。結果として、今でも変わらず酒は飲んでいる。
肝心なことに限ってのらりくらりなエドワードの対応に、アルフォンスはまるで一人相撲をとっているような、面白くない気持ちになっていた。
「兄さんはコレ、どうしてるんだろう……」
アルフォンスの脳裏にひとつの、少しいじわるを含んだ好奇心が浮かぶ。好奇心は、具体的な行動の決意へと結びついて一人、取り残された部屋で意気込む。
それがどんな結果をもたらすかなど、考えも及ばずに。
広いとは言えない部屋の端と端に、それぞれ二つ並べられたベッドの片方に、アルフォンスは寝間着姿で腰掛けている。エドワードも一服を終えてウイスキーのグラスを片付けて、そろそろ寝ようかというところの夜半前である。
エドワードはシャツとスラックスを脱ぎ、寝間着の緩いズボンを腰まで上げ、上衣のボタンを止めて行く。裾がはだけてちらり、と見えた腹には見事な筋肉が彫刻のように浮き出ていて、アルフォンスにとっては見慣れていることとは言え、溜息をつきたくなるような見事さだ。
エドワードがすっかり寝間着を着込むのを待ち、機械鎧を外そうかというタイミングを見計らって、アルフォンスは甘えた子犬のような顔で声をかけた。
「ねえ、兄さん」
「ん。どうした?」
「兄さんってさ……どうやってやってる? 一人でシてる時」
「シてるって何を?」
「オナニー。どうやってるの?」
「あ、ああ……そんなことか……」
金の瞳はゆらゆらと惑い、視線が泳ぐ。まだ閉めていなかった窓から生ぬるい風が吹き込んで、気まずい空気を舐めとっていく。
あくまでも逃げの一手を探していることがありありと分かるエドワードへと、アルフォンスは追い立てるように言う。
「そういうこと、師匠から借りた本でしか……知らないんだ。兄さんはもっと詳しいんじゃないの? 教えてよ。ぼく、他に聞く人も居ないんだから」
「そうか……。それもそうだな。もう少しアルも他の奴らと気楽に関われたらいいんだが……」
「ねえ、兄さん。僕は今、兄さんに聞いてるんだ。教えて、兄さん。兄さんはどうやってるの?」
惑う金の瞳は、今度こそ弟の姿をまっすぐに映す。そして、とても尋ねづらそうに、問いをなげかけた。
「お前、今は、勃ってるか?」
「え?」
「チンコ。硬くなってるか?」
「今はそこまで……」
「そうか」
そう言うとエドワードはアルフォンスの前に跪いて、弟のズボンへと手を掛けた。ゴムの緩い着衣は容易にずらされて、下着の前開きへと手を伸ばしている。
「ちょ、ちょっと! 何するの!」
「何って、チンコを出さなきゃ始まらないだろ」
「ぼくのじゃなくて、兄さんのを、教えろって」
「実際やってみないと何も分からないだろ」
すでにエドワードは、アルフォンスの萎えたものを下着の窓から手早く取り出して、生身の左手の人差し指と親指を輪っかにしてするりと巻き付けている。その感触にぞわぞわして、アルフォンスは生唾を飲み、黙った。
エドワードは確かめるようにアルフォンスのものの裏筋をつつ、と指先で撫で上げて、亀頭の根元をゆるく握ると気怠げに扱き始めた。決して強くは無い刺激であったが、意識の外の世界から与えられる予測のつかない動きは自分でするのとはまるでちがう感覚で、それだけでも息が乱れる。他者からの刺激に全くの無知なアルフォンスの自身はあっという間に芯を持って勃ち始めた。
「ふっ、ぅ、ふ……」
「どうだ、気持ちいいか?」
優しく、甘やかすように優しく問いかけられて、アルフォンスは虚勢を張る。
「兄さんはいつも……こうしてるんだ?」
「……気持ちいいみたいだな」
質問ははぐらかされて、代りに図星をつかれて耳まで熱を持つ。
扱く手は次第にロングストロークになり、陰茎の根元まで降りてから、すっと先端までをなぞり、先走りに濡れる鈴口をぐっと押し込んだ。
突然与えられた強い刺激にアルフォンスは腰が引ける。だが逃してもらえるはずもなく、追い詰めるように尿道口を親指で捏ね回される。エドワードが指を離すと粘着質なカウパーがつぅ、と糸を引いた。それをじっと見つめながら、感心したようにエドワードは言った。
「ほら、出口がパクパクしてるぞ。もう出したいんだな」
「ッ……!」
エドワードに、自身の痴態を嬉しそうに説明されてたまらなく恥ずかしくなる。そんな場所は、オナニーをしている時に見たことがなかったし、見ようという発想もなかったので、確かめる気も起きなくて目をつむる。ふるふると首を横に振って、快感を逃すように天井を仰いだ。
「アル、こっち見ろって」
エドワードは機械鎧の右手をアルフォンスの頬に添えた。恐る恐る、アルフォンスが正面を見下ろすと、潤んだ金の瞳とすぐそばで目が合って、これが現実なのか、オナニーの時に見るまぼろしなのか、区別がつかなくてゆめうつつの気持ちになる。
「怖くないぞ。心配すんな」
エドワードはすり、と頬を撫で下ろすと再びかがみ込み、すっかり首をもたげた雄茎を根元から優しく支え、亀頭のさきっぽに顔を寄せる。
そして距離はどこまでも近くなり。
終いには、敏感に勃ち上がった先端に、接吻を落とした。
「~~~~~~?!」
破壊的な光景と、与えられる刺激にアルフォンスが息を詰める。エドワードはそんな弟にお構い無しに、湿った唇の粘膜で竿の横をつつ、と触れて降りていき、根元まで達する。今度は、舌の先でぞりぞりと舐め上げた。それだけではとどまらずに、アルフォンスの成長途上の陰茎を喉までズッポリと咥えこんで体をひねりながら前後に動き始める。
ようやく状況に思考が追いついたアルフォンスが大慌てで悲鳴をあげる。
「ちょっと! そんなとこ……そんなことしたら汚いよ、やだ、ゾワゾワする、や、あ、やめ……」
「ひたなくねへよ」
「ひゃ、歯が当たる……咥えたまましゃべらないでぇ……」
有無を言わさず、といった様子でエドワードはじゅぷ、じゅっぷ、と音を立てながらアルフォンスの急所を攻め立てる。はしたない水音に耳まで犯されるようで、耐え難い状況にアルフォンスは身悶えした。
(無配へ続く、エド×アルの挿入・本番あります)